ガラスの脚(あし)(2018年9月6日)

勇太が脚を痛めて一カ月たち、やっと普通に歩けるようになった。ただ、500メーターぐらい歩くと跛行(はこう)になってしまう。

元々右前脚はどういうわけか弱い。触ると嫌がる。といってねじっても押しても痛いとは言わない。変な感じなのだ。時折朝、散歩のときその脚をビコタンしている。きっと寝違えたのかなと思っている。人間も寝違えたり、ぎっくり腰があるから同じような現象なのだろう。

勇太の日課は散歩を終えてから体を拭き、ブラシをし、歯磨きをして、足を洗い、二階に上がり、テーブルの周りをかけ、ボール遊びをしてから食事をするのだ。ところが、その朝は運悪く簡易冷蔵箱を広げ干していた。現場は見ていないのだが、多分それの飛び越えに失敗し、右前脚を捻挫でもしたのだろうか、今までにない最高の悲鳴をあげてこちらに来るではないか。右前脚は床につけないで、上げっぱなしだ。それは人間の場合で言えば、膝とももをすこし上げて足を浮かせている状態で、いかにも痛そうに鳴いている。かわいそう。

そんな状態だから、次の日からはおしっことウンチをしたら散歩はおしまいだが、歩くときはビコタンだ。できるだけ右前脚に負担をかけないように、その足を出した時はそっと着地して、素早く左脚を出すのだが、右脚の付け根に痛みがあるせいか着地すると、痛みを避けようとガクッと体が前のめりになるから、私は胴につけたリードを持ち上げて右足の負担を軽くする。

痛そうだな~
勇太も毎日、まりや食堂に行くが、車で出勤帰宅の超過保護にした。一週間しても進展がなく病院へ。医者がその脚を引っ張ったり、押したりしても勇太は痛がらない。本当に変だ。体重をかけると痛いのだろう。痛め止めをもらうだけだった。それでも散歩のときはひどい跛行だ。一カ月たち、やっと少しビコタンが良くなった。心配したが、このまま治ってくるのだろう。

本当にこの脚はガラスのようだ。今後は用心してこの脚に負担がかからないように、あまりはしゃぎすぎないように注意しなくてはなるまい。