金食う犬(2017年12月22日)


犬の世話にものすごく金をかける人の紹介をいつかテレビで見たことがある。着飾って、首輪は金でできていたりしている。
今ここで取り上げる「金食う犬」とはうちのワンちゃん勇太だ。この犬に沢山金をかけているわけではない。この犬はどういうわけかチリ紙が好きで道路であろうが家であろうがあれば食べちゃう。それがあろうことかお札を食べてしまったのだ。ただ被害は少なかった。
山谷の三階のホールのテーブルにお金を封筒に入れて置いていた。勇太はそのホールで夕方まで寝ているが、いつも夕方ぐらいからそわそわして落ち着かない。もう飽きてきたのだろう。それでリードの届く当たりのものをいたずらして、引っ張り出したり散らかしたりするので、危ないものにはフェンスを置いて守っている。まさかテーブルの上の封筒をいたずらするとは考えていなかった。
下の弁当屋がおしまいになって三階に上がってみたら、封筒が床に落ちていてかじられお札が一枚転がっていた。見ると端の方が欠けていた。破片もあった。まったくしょうがないワン公だ。
銀行に聞いたら半分ぐらいあれば交換してくれるというので、持って行った。銀行員はお札を見て、犬がかじったのねと笑っていた。余計な労力を使わせる犬だ。さて、猫もお札をかじるだろうか。
12月だ(2017年12月22日)

 間もなくクリスマスです。山谷のまりや食堂は2018年1月から週4回の弁当販売となります。その意味でこの12月は感慨深いものがあります。長らく週5回ペースでしていたのですが、専従として切り盛りする人が一人辞めて後釜がいないからです。私たちも年を取ってきたので週4回ペースもやむをえないと思っています。どなたかする人が出てくればまた5回にできると思います。
 私たちは弁当屋を長くやっていますが、私もボランティアも年を取ってしまいました。安い弁当で短時間ですから売り上げが沢山あるわけでなく、支援に支えられて日々をしているわけです。ですから作業者もほぼ全員がボランティアで専従者には少しばかりの給料を支払っているわけです。
先日買いに来た客が単品だけを注文するからお断りした。単品は30円なのでこれだけ買って酒のつまみにされても困るので弁当を買った方へのサービスとして販売しているのです。その人はその日のコンデションが良くなかったようで烈火のように怒った。「キリスト教が金とるのか。話している時に目を見ろよ、じじい(私のこと)は後ろにいろ、その口の利き方は客に言うことか」、成りは小さいのですが、烈火のようでした。少し怖かったですが、落ち着いてきたようなので「怒らせてすまなかったね」と謝り、彼は帰っていった。次の日は黙って買っていった。
 年末だ。いろいろありますね。クリスマスも近いです。スカイツリーの俳句を作りました。

これは皆さまへのプレゼントです
「スカイツリー巨大な燭花聖夜ミサ」



取らぬ狸の皮算用(2017年12月6日)

「宝くじ一等10億円」と言っている。総額で10億円なのだが、一等で10億円だと勘違いしている。「当たってもいらない」と言っている。当たるはずもないのに、とても立派な皮算用なのですごいなと思った。「一億円もどうのこうの」と言っている。話している連中はみんな年輩だから、使いきる前におさらばの可能性があるから「いらない」と言うのだろう。
賢人会ではないが、たまり場でいつもの老人連中が話の花を咲かせている時に、小耳にはさんだのだ。私はその体育館に筋トレに週二回行くのだが、その一階のフロアがたまり場になっておしゃべりをしているのだ。私は近くの長椅子で上着などを羽織って帰るのだ。
宝くじの高額金が当たるので有名なある銀座の店がある。そこから何度も一等が出た。だから発売の日にはその店の前に700人が並んだとニュースが言っている。何度も出たというから、出る確率は他よりも大きいのだろう。何とか濡れ手で粟ならぬ金をせしめたいのだ。
山谷はやはり競輪、競馬、オートだ。これの方が当たる確率は抜群に良い。多くの人が何とかでかいのを取ろうと日々頑張っている。まりや食堂の弁当に並んでいる人々もいつもその話に花が咲く。宝くじの事は耳にしたことがない。
Sのもめ事(2017年11月)



卵焼き弁当、160円です
これはSMの事ではない。Sはまりや食堂の卵焼き弁当の略称だ。
そのSについて一カ月前ほどにちょっとしたもめ事があった。それはお金を出したか出さなかったかということだ。まりや食堂は前金制だ。まず勘定を済ませて、隣で弁当を出す。
私は注文を聞き伝票に品物の名を書き、この場合はSと書き、お金を頂いて番号札を渡し隣に行ってもらう。その人が卵弁当を注文した。同時に「毛布をくれ」と大声で叫ぶ。「毛布は後からね」と言ってお金をもらおうとしたら「金はもう出した」と。私は「もらってない」となった。
「毛布くれ」という言葉で、注文の状態が何処まで進んでいるかわからなくなり、そして「出した」、「もらってない」の平行線になってしまったのだ。
すったもんだしたが、私は突っ張って、彼はぶすくら言って行ってしまった。それから数日して来た。注文はしないで、離れたところから大声で「まりやは金をとったのに、弁当よこさない汚い野郎だ」とわめいている。この人はよくわめく人だ。それが来るたびに続いた。
私は彼と関係を改善すべきと考え、来た時に「弁当を上げるから」と誘っても、「いらねーよー」と吐き捨て、また、わめくのだった
ずっと来なかったが昨日来た。すっとカウンターに来て「卵焼き弁当くれ」と200円置くではないか。
私はすかさず、「こないだはすまなかったね。いやな気分にさせて、お金はいいよ」、「そうはいかねーよ」と受け取ろうとしないで、隣の出し口に行く。私は追いかけて「じゃ半分だけもらうよ」と100円返したら取ってくれた。
弁当受け取り口でボランティアのおばさんに「誰でもうっかりな間違いはあるよなー」と静かな声で言っているのが聞こえた。弁当を受け取ってから「釣りをくれ」と言う。彼は確か200円出したから釣りを40円渡した。計算では、彼は200円出して、私は100円返して、40円の釣りを渡したから、彼は計140円手にしたから、60円で卵弁当を買ったことになったのだ。
まあ、痛み分けという感じだ。つまり互いに自分の非は認めないが、互いに気を使ったことになった。繰り返すと私は間違ってないが、感情を害してしまったことを謝り、その弁済として弁当を提供するという態度だった。彼は自分は間違いなく金を払ったのだが、誰にも間違いはあるのだと私の非を指摘して、自らの主張を正しいとしながらも、私の行為を受けいれて一件を落着させたのだ。彼がこれほどのセンスがあるとは日常の行動からは推しはかれなかった。
もめ事は嫌だからめでたしだが、歳のせいかうっかりミスはあるのだ。確かにもらったのに、うっかり忘れたりする。釣りも間違える。いろいろと間違える。特に開店間際に間違える。多分それは今の今まで3階でたいがいパソコンを使い原稿を作ったり、ヘブル語をしたりしていて、急に会計の仕事に入るので頭が切り替えられていないようなのだ。
でも、確かに忘れっぽい。それでトラブルがないように、会計の時は注文を聞いて、客がおさらにお金を置いて、私は注文をメモして、釣りと番号札を渡し、客のお金をレジに入れるようにしている。いずれにしても客の金を目の前に置いとけば問題はないのだ。最後にレジに入れるのだ。今はこの方法が一番良いと思っている。
他山の石(2017年11月15日)
この写真はその店ではありません。
悪しからず

 他の出来事が自分の参考になることを言うのだが、そんな出来事が最近あった。 ショックで旦那は具合が悪くなり、今でも酸素をカートで引いて管を鼻に入れて歩いている。かみさんの死がすごいショックだったようだ。すごく強い男に見えたし実際すごく突っ張っていた。私ともやり合った人間だ。それがこれほどガクッと来るのだから、かみさんの力って本当に偉大だと感じている。 この店は私が日雇いに入った当時から繁盛していた。おやじが労働者に取り入るのがうまかった。なんでもかみさんは癌で急死したらしい。 大きい子供がいるのに後は継がないようだ。今は店を閉じているが、先の事はまだわからない。どうも閉じるらしい。 「他山の石」と言ったのは、まりや食堂も専従者で持っているようなものだから、何かの理由で専従者が仕事から降りると、まりや食堂の弁当もできなくなると感じている。 私は以前はなんでもしたが、もう年だ。だが口は使えるから指揮はできる。大方のボランティアもしっかりはしている。だが、厨房を切り盛りする専従者がいないと、まりや食堂も厳しいなと感じるのだ。その店の突然の閉店でそんな感情が湧いてくるのだ。

山谷の周辺


浄閑寺はまりや食堂から歩いて10分ぐらいのところにあり、地下鉄三ノ輪駅近くだ。
そこは別名投げ込み寺と言われる。安政2年(1855年)の大地震で死亡した身寄りのない多くの遊女が、大きな穴に投げ込み同然に葬られたことに由来する。吉原はその寺から歩いて十分ぐらいのところにあり、今も男たちの遊蕩の街となって、夜は華やかなネオンが灯る。
その寺には、そのような幸薄い女性を供養する納骨堂が建てられ、屋根には新吉原供養塔とあり、その下のお堂には骨壺が何百も安置されている。いつ頃のお骨かはわからない。なぜか収められている壁には格子のある窓があり、中の骨壺が見えるようになっている。なぜそうしたのかは私にはわからない。

   
   供養塔                       窓から見えるお骨     





カレー(10月某日)

カレーライスは抜群の人気だ。ずらりと販売前に並ぶ。一人二つも三つも注文する人がいるが、とても対応できないのでお一人お一つにしていただいている。40食しかカレーは作れない。
ボランティアの人数などのためだ。朝から夜まですればよいのだろうが、ボランティアの都合などでそれは無理だ。カレーはあらかじめ作っておく。
大鍋で作る。安くて、飯が多くて、うまいのでは誰でも買いたくなる。
この一週間梅雨のような雨の中にも買いに来てくださる。「二つ」と言う人には、「今日は雨だから遅くもう一度並んだら買えるかも」と。
今日は切れ目なしに売れ続く。
「しまった」、もうないのに売ってしまった。
まりやの弁当の仕組みは注文を聞いて、あらかじめお金を頂いて番号札を渡し、隣の窓口で弁当を提供する。
注文が先行するから、品物がなくても注文を受け付けるおそれがある。
二人は空の注文になってしまった。並んでいるお客さんに「60番さんすみません、カレーが切れてしまって、お魚弁当10円引きますからいかがですか」と恐る恐るうかがう。もう一人はお金を返すことになった。
カレーが切れると、後はゆっくりのペースで進む。窓口でおじさんが「俺、フランスに行くんだ」と。
この人は何度かフランスに行っているらしい。「何しに行くの」。作詞と演奏をするためらしい。
この間は競馬を見に行ってタクシーにぼったくられたらしい。
閉店の窓を閉めかけたら、常連が「ある?」とのぞく。残っていた品物がほぼ注文と符合したので、少しご飯をおまけしておしまいにした。雨にしては忙しかった。


一言、私達ボランティアはおじさんにおいしい食事を提供したいというキリスト教精神でしています。
 人間味あるキリスト教については「読書礼拝」をクリック、「山谷の読書会」もためになります。ご覧ください。

のり弁大盛り二つ


たまご焼き弁当の卵を焼いています。
最近大盛りが多い。それに見かけない人が結構来ている。ネットなどで見たのだろうか。
ドヤに泊まっているか、アパートか他所から来るかわからない。また取材しようと思う。
買い方の特徴は、大盛りの卵焼き弁当とのり弁の大盛りの二つとか、のり弁の大盛りとか多い。身なりはさほど厳しくないから、それしか買えない感じよりも、ご飯を買うのが目的のようだ。ここはのり弁とご飯だけと値段が同じだから。
のり弁は厳しい人用に作ったが、そうでない人も買うのは自由だから何とも言えない。
この地域がどちらかというと厳しい人たちが大勢集まっている地域だからそれはそれで良しとすべきだろう。
ただ、最近お米の献品が少なく、米のストックが少なくなりつつあるので、飯の量を少し減らすことにした。以前米のストックが多かったから飯の分量を多くしたので、今回は減らす。またストックが多くなれば増やす。それでも、飯の分量は普通のスーパーの倍はある。まあ―それがまりや食堂の売りなのだ。


色々と調理をしています。シスターも来ております。

◆パートさん募集◆



パートさんが今年の12月にやめられます。来年の1月からパートさんを探しています。

【日数、時間】一カ月に1回~4回ほど、朝9時45分から夜6時45分まで
【日給】11,000円、交通費込み。
【仕事内容】簡単な調理と雑用。ボランティアさんと一緒にします。
【資格】特に資格はいりませんが、女性、年齢制限なし、キリスト者であること
【連絡先】山谷兄弟の家伝道所まりや食堂までご連絡ください
     電話番号 03-3875-9167 
   

最近の「山谷」と「まりや食堂」


かつては日雇労働者の街として独特な活況を呈していた「山谷」。
バブル終焉ののち、街の相貌は徐々に、しかし大きく変化してきました。
その変化とともに「まりや食堂」は活動を続けています。

急募
仕込み 11:00~14:30
お弁当販売 15:00~18:30 特に人手不足です。
ボランティアでお手伝いくださる方を募集しています。
まりや食堂の調理の担い手にも、高齢化の波が押し寄せてきています。
充分に仕込みができれば、完売でお客さんをガッカリさせることもなくなります。
全国よりいただく献品や献金の整理もよりスムーズになり、メニューのバリエーションも広がります。

クリスチャンとノンクリスチャンとが協力して作業しています。
ぜひ連絡フォームからお申し出ください。


♬山谷の読書会♬
毎月第3土曜、10:30~12:00です。

抒情的な作品から非常に骨っぽい現代批評まで幅広いテーマですが、山谷というプリズムを通して社会や文化をどうとらえるか、という関心は一貫しています。
(礼拝ではありますが)宗教的なバックグラウンドは関係ありません。少し固いですが、よろしくお願いします。

読書礼拝のホームページ
読書礼拝(山谷の読書会)のブログ


Ⅰ 山谷の現在

東京メトロ日比谷線のホームから眺めた山谷方面。
スカイツリーが根元近くまでみえます。


駅を出て振り返ると、高層マンションがそびえたっています。
ここ2、3年でファミリー世代がずいぶん目立つようになりました。


献品のお願い()

山谷兄弟の家だより(2017年夏号)より
太字は必要性の高いもの
太字は緊急を要するもの
 

 
 

 

≪まりや食堂≫で必要としているもの
 
米     :米引換券
魚・肉   :(冷凍)、ハム、ハム券、ベーコン、ウィンナー、冷凍食品
野菜、果物 :じゃがいも玉ねぎ人参果実青菜(おひたし、和え物で付け合わせに使います)、その他季節の野菜
乾物類   :海苔椎茸高野豆腐ふりかけ、はるさめ、切干大根、ひじき
缶詰    :ツナ缶魚肉缶(サンマ、いわし)魚肉ソーセージ(のり弁使用)ハム缶ウィンナー缶コンビーフ缶フルーツ缶水煮大豆缶たけのこ缶ホタテ缶、ホールコーン缶(コーンクリームタイプ不要)その他缶詰(お弁当用の単品、炊き出し用、バザー用に沢山必要)
 
保存食   :梅干し、漬物、佃煮(これは付け合わせに使います)
調味料   :食用油カレールー小麦粉天ぷら粉マヨネーズ料理酒鶏がらスープ、パン粉、片栗粉、ごま油、砂糖、インスタントみそ汁
(普通の味噌は沢山いただきましたのでしばらく中止)
金券    :お米券、商品券、ビール券、ハム券、その他の金券
台所用品  :リードペーパータオル、トイレットペーパー
洗剤(食器用、洗濯用、トイレ用)、ゴミ袋(45L)
その他   :割りばし官製葉書切手(金額不問、沢山必要)、セロテープ、ガムテープ、マジックペン、輪ゴム (絵葉書は在庫ありしばらく中止)
嗜好品   :お菓子、お茶、インスタントコーヒー
ドリップコーヒー(バザーで10円で売っています)、ジュース缶
窓口炊き出し:野宿者に配布のために沢山必要です(出来れば缶切りなしで開けられるもの)
魚肉缶、ツナ缶、その他缶詰、乾パン、ビスケット、クラッカー、パン、お菓子
弁当パック :大浅(19cm×12cm)、中浅(17cm×10cm)、小浅(13cm×9.5cm)
おかずホイル:6号~9号 深ホイル(紙ホイルは使えません)



*その他で必要なもの
男性衣類  :衣類出し用に使います。下着、靴下、靴、シャツ
男性用小物 :剃刀、石鹸、タオル、シャンプー、ボディソープ(クシ・ブラシは不要)
 
*朝市、バザーで必要なもの
本、DVD:推理もの、歴史、時代もの、何でも可
〇電気製品:ラジオ、ラジカセ、時計、電気剃刀、懐中電灯
〇食品  :お菓子(大変喜ばれます)、ドリップコーヒー、インスタントコーヒー、紅茶、日本茶、ココア、フルーツ缶、缶ジュース、そうめん、ひやむぎ、ソバ、うどん、レトルト食品
〇日用品 :洗濯洗剤、石鹸、シャンプー、ボディソープ(クシ・ブラシは不要)
〇衣類  :男性の新品(背広、ワイシャツは除く)
夏物は4月~9月、冬物は10月~2月に使います。
 
➢献品はお弁当、炊き出し、バザー、無料配布などに使わせて頂いています。
➢食品は、賞味期限内のものをお願いいたします。
➢上記以外の物は不要です(倉庫に限りがあります)ので送らないでください。
 
 
よろしくお願いいたします。