チェルノブイリの祈り(2019年10月13日)

『続 この器では受けきれなくて』が思いのほか売れなくて、出版社からの申し入れで、たくさんこの本を仕入れました。半額(定価1800円)で手に入れましたから、私としてはもっと安くして一冊500円でお願いしますので、まだお読みでない方は良かったら手にして、読んでいただいたら幸いだ。一冊500円です。

すでに読まれた方々は良かったと言ってます。内容的には、サルトルなど少し難しいところもありますが、4章の「アウシュヴィッツの普遍性」で取り上げたフランクルの「夜と霧」で述べられている「どんなときにも命に然り」という生き方が今の社会に必要なことだと思っています。

収容所では過酷な重労働と餓死寸前の少ない食事のために、いつ死んでもおかしくない状況の中でも、フランクルは「その状況が私になにを期待しているのか」と問い、それに応えていくために、死に行く現場でも、命が続く限り生きていこうと意欲する。

小見出し「チェルノブイリの祈り」は福島原発と繋がります。チェルノブイリの原発大事故では、現場の消防士が全員死亡し、消火にあたった兵士が幾人も死亡するという、多くの悲しみがありましたが、そこにはかすかな希望がありました。もし彼らの英雄的行為がなかったなら、より大きい惨事になったはずだ。だから彼らの生き方は未来を見据えた歩みだったのだ。何人も放射能の害で自殺しており、生きるのは大変だが、ある母親は障害のある子と共に今日を生き、明日も生きていく。この事実こそ未来を示しており、かすかな希望を抱かせる。この本のサブタイトルは「未来の物語」となっている。  

福島原発も多くの悲しみがありましたが、少しずつ復興に向けて進んでいることは幸いです。ただ今後のことを考える時に日本の原発は廃棄に向かって行くべきだと考えます。

山谷の現場のこととしては長くかかわった永伊さんの事やまりや食堂の窓口の弁当販売を通して見えてきたおじさん達の姿などが生き生きと描かれています。
                               山谷兄弟の家伝道所

続 この器では受け切れなくて―山谷兄弟の家伝道所物語

菊地 譲(著)

2018年7月20日発行
四六判・368頁
発行 株式会社ヨベル


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