Sについて(2018年1月20日)
卵焼弁当は略してSと伝票に書き、後ろの弁当を用意する人に「エスだよ」と声を掛ける。それで常連の連中は「エスをくれ」とか、「ダイエス(これは大盛りの事)をくれ」とか言う。互いにその方が口数が少なくて済む。知らない人が聞いたら、暗号を使って何しているのだろうと思うに違いない。初めて買う人はSが安いとビックリする。中には本当に助かると、先日仕事で手に入れた千円札を大切そうに出し、Sを注文する。いつもの人がSでなく、定食を注文。私が「おや」という顔していると、「今日は仕事に行った」ので自分にご褒美として定食を食べさせるのだそうだ。
今記者が来ている。弁当の取材だ。大概取材は断るのだが、この新聞社には世話になっているので、取材を支えた。Sのおじさんに取材したいと言うので、手ぶらでは失礼だから大Sを3度お近づきのしるしに提供して無事に取材することができた。
1月にカレンダーがたくさんきた。弁当出しのボランティアがおじさんに「カレンダーを上げますよ」と声かけると喜んでもらう人と、「俺には壁がないからいらないよ」と断る人などいろいろだ。
Sの言われ。卵焼き弁当をどうしてSというか。それは次回のお楽しみに。