風光る(2018年3月28日)

 「風光る」は俳句の季語だ。日常的に使わない言葉だが、春の姿を風は光っていると表現した美しい言葉だ。
 今年は寒くうんざりした。沢山着込み、重たく窮屈だった。愛犬、勇太を荷台に乗せて山谷に行くが、寒いので人間並みに洋服を着せ、エリマキをし、マントをかけてやる。自分の支度や犬のそんな支度で結構時間がかかる。
 やっと気温が上がって今日は薄着、勇太も本毛皮だけだ。私にとって本当に啓蟄といった感じだ。厚い防寒着と裏地のあるズボンから脱出したなーといった感じだ。
 陽気が良くなって、お弁当を買いに来るおじさん達もやっといつもの人数になってきた。ドヤに籠っていたのが、やっと出てきたのだ。今までは、比較的暖かな昼間にスーパーやコンビニで弁当を買うなどしてドヤに早くから籠っていたのだろう。いつもの顔がずらり並んでいると、私も元気が出て、「いらっしゃい、いらっしゃい」と声に元気がこもる。春は本当にいいなと感じるようになるほど、私も年を取ってしまったのだろう。